2025年10月、26年続いた自公連立がついに終わりを迎えました。
長年、与党の一翼として政権運営を支えてきた公明党は、これからどんな道を歩むのでしょうか。
創価学会を支持基盤に持つ公明党は、これまで「中道」「安定」「福祉重視」の政治スタイルで存在感を保ってきました。
しかし、連立解消により“自立”が求められる新たなフェーズへと突入しています。
この記事では、
- 公明党が連立解消に踏み切った理由
- 支持層との関係の変化
- 今後の戦略と連携の可能性
をわかりやすく整理します。
📘 本記事は「ポスト自公時代を読む」特集の第２章です。
日本政治の転換点を4つの視点から読み解くシリーズです。
🔗 シリーズ一覧： 第1章 高市総裁の行方 ｜ 第2章 公明党の再出発 ｜ 第3章 政界再編シナリオ ｜ 第4章 有権者の選択
1️⃣ 連立解消の背景：「政治とカネ」への不信と理念のずれ
今回の連立解消の直接的な引き金は、政治資金をめぐる問題でした。
公明党は「企業・団体献金の禁止」や「派閥資金の透明化」など、クリーンな政治を求めましたが、
自民党が明確な対応を示さなかったことから、関係が悪化しました。
「信頼と透明性を重視する立場から、現状を看過できない」
— 斉藤鉄夫代表（2025年10月の記者会見より）
また、政策面でも防衛費増額や憲法改正など、
自民党が右寄りの方針を強める中で、公明党の“中道穏健路線”とのズレが顕著になっていました。
2️⃣ 支持母体・創価学会との関係再構築
連立解消をめぐっては、公明党支持母体である創価学会の意向も大きく関わっています。
学会員の間では、「自民党に寄りすぎて公明党の理念が薄れた」との声が少なくありませんでした。
- 「庶民の声を代弁する党として原点に戻るべき」
- 「権力よりも信頼を取る判断を歓迎する」
こうした支持層からの声が、公明党の決断を後押しした形です。
今後は、支持基盤との信頼再構築が最大のテーマになるとみられます。
3️⃣ 公明党の新たな戦略：中道再生か、連携再編か
連立離脱後の公明党が取る道は、いくつかのシナリオが考えられます。
| シナリオ | 概要 | 実現可能性 |
|---|---|---|
| ① 政策ごとの部分協力型 | 与党・野党問わず、政策単位で協力 | ◎ |
| ② ゆ党（中道）路線 | 与野党の間で調整役として独自路線を取る | ○ |
| ③ 野党連携型 | 立憲・国民など中道左派と政策連携 | △ |
| ④ 支持基盤再強化型 | 創価学会との一体感を再構築し独自の存在感を確立 | ◎ |
現時点で最も現実的なのは、①と④の「部分協力＋支持基盤回帰」です。
つまり、完全に野党に回るのではなく、「政策単位での柔軟協力」によって存在感を保つ戦略です。
4️⃣ 選挙戦略の再構築：独自候補・地盤の再整備へ
自公選挙協力の終了により、公明党は多くの選挙区で再出発を迫られます。
- 自民党の推薦を受けずに立候補するケースの増加
- 学会ネットワークを活かした地域密着型の選挙戦
- 政策重視型キャンペーンへの転換
これまで「票の貸し借り」で築かれた構造がなくなるため、
支持者との直接的な対話型選挙が今後のカギとなるでしょう。
5️⃣ 公明党が掲げる「信頼回復」と「中道政治」の再定義
斉藤代表は記者会見で、「庶民とともに歩む政治を取り戻す」と強調しました。
この発言には、単なる政党戦略を超えた“原点回帰”の意図がにじみます。
「連立解消は終わりではなく、次のスタート」
— 公明党関係者コメント
今後、公明党がどこまで独自色を打ち出せるか。
中道・福祉重視の政治をどれだけ具体的に形にできるかが注目されます。
6️⃣ まとめ：公明党にとっての“離脱”はリセットではなく再出発
自公連立解消は、公明党にとって大きな転換点です。
確かに与党の一角を離れたことで影響力は一時的に減りますが、
その分、党の理念や信頼を取り戻すチャンスでもあります。
今後の公明党が「何を守り、誰のために政治を行うのか」。
その答えが、日本の政治再編の方向性をも左右するかもしれません。
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